「こんにちは」と初めて校舎に入ったのは10年前。懐かしさと景観の美しさに胸がときめいたのを今でもはっきりと覚えています。
役目を終えて、社会から遠ざかってしまったかつての子供たちの学び舎。なんとか残して活用できないかと毎月掃除に通うようになりました。
環境教育の必要性が問われる時代に、豊かな自然の中にある学校が消えていくのはもったいない。しかし、どのように生かせるか、保存や運営は…考えを巡らせるほど、課題や問題、そして学校なだけに夢や希望など様々な思いが交錯したものです。
冬の冷たい校舎から声を上げても、雪の月山からはまだやまびこは戻ってきません。同様に、なんとか存続しているこの「たにしの楽校」のこだまが聞こえるのはきっとまだまだこれからです。
そして、もうすぐまた新しい春が訪れます。
たにしの楽校や田麦俣での自然との触れあいを通して、一人でも多くの方が豊かな時間を過ごしていただけたらと思います。