ホタルを研究している先生にご指導をいただきながら、ホタルの飼育をがんばっております。
自然にホタルが生息するためには、きれいな水や良い環境が整っていることと、育つための餌がいることが必要とのこと。 ここ田麦俣は、月山、湯殿山からの雨や雪解け水が七ッ滝を下って流れ込み、1年中水量があまり変わりません。
水路にカワニナが生息しています
また、集落内の中ほどには、一度も農薬の使われたことのない苗代とその脇の水路にホタルの食べ物「カワニナ」が生息しています。まさに、ホタルが育つには良好な環境です。
産卵を終えたホタル、使命を全うしてその命を断ちます
しかし、環境の変化などによって、その数は年々少なくなりました。かつては、ツバメやすずめ、赤とんぼ、小さな虫たちも集落には沢山いたといいます。
卵から成虫になるまで一匹のホタルがカワニナを15個ほど食べ、10匹いれば150個。100匹いれば1500個になります。かつてのたくさんホタルが舞う風景を取り戻すため、なんとかがんばってみたいところです。
ホタルが卵を産みつけたスポンジ、黄色いのと黒いのが卵です
命が育つことの難しさを知ることは自然環境教育のひとつだと思います。厳しい自然の中で、人や動物は自由気ままに傲慢には生きられない、いわば許されて生かされる。あなたがいないと私はいないこと、自然や社会では一人では生きていないという大切なことにたどり着く、それが「命」だと思うのです。
山間の田んぼにホタルが舞う日が
いつか、ホタルの舞う里山で飼育観察を通して自然と向き合い、学べるような取り組みができたら素敵かも、ホタルの卵を見ながらそんなことを考えています。
「ホタルの命」 卵をいただてから20日目に、暗闇に卵がうす灯りを灯しました。とても幻想的。間もなく幼虫が…。今度は餌をあげて成虫になるまで育てます。来年の夏には集落内にホタルが舞っていることを願って。
春の田麦俣桜景観
こんな取り組みを通して、田麦俣が「日本のこころのふる里」になるといいなと思っています。