行きたい場所「たにしの楽校」
新年おめでとうございます。
たにしの楽校も毎年多くの人に支えられて、またひとつ新しい年を迎えることができました。心から感謝を申し上げます。
何年も、ふる里田麦俣の風景に浸り、山里の学び舎に想いを寄せていると、様々なことに気づかされたり、教えられたり…、かつて子供たちの学び舎であった「たにしの楽校」が、私にとっては、まるで大人の上司のような気がしております。
ICT、AIなどの目まぐるしい技術の進歩が話題になるような時代において、あたかも時間が止まっているようなこの場所。何もないから考え、誰も来ない中で考え、何かをしなければと考え、様々な想いを巡らせる日々が大変貴重なものに感じられます。
まともな考えではないかもしれないけど、ここが多くの人に倖せをもたらす場所になるのでは、と密かに信じてきました。
そして、朽ちていく校舎に目を背けることができず、大切なものは遺さなければならないと、10年前にこの学び舎と約束を交わし、保存に向けた活動をはじめたのです。
世の中がどんなに進歩しても、人とのつながりや絆の大切さ、一人で生きていないという当たり前のことに気づかせてくれるような場所。だれもが懐かしく感じる田麦俣の原風景とたにしの楽校は、未来の地域と社会の大切な宝物・財産になってほしいと思っています。
新しい年も、自然と人のふれあい、人と人とのふれあいのために、楽しい催し物を通して社会に必要とされる施設でありたいと願っております。
今は冬休みで雪に埋もれていますが、暖かくなったら是非お越しください。
春以降は、校舎の窓が開いていれば僕がいます。
職員室の小さなカフェで、みなさんの素敵な笑顔にお会いできることを、心から楽しみにしております。
訪ねた時は雨上がり ふる里はけむる霧の中 いつか季節は10年(遠う)まわり 田麦橋を渡れば桜(はな)が咲き 月の山の下には田麦俣 もどり橋田麦橋で 振り返り振り返り 何で忘れられよう田麦俣
たにしの楽校保存会事務局 南 正一