top of page
  • たにしの楽校事務局

金子みすゞの詩に寄り添う

更新日:2020年7月3日


足場を組んで補修中のたにしの楽校


山里の緑が一段と濃くなって、国道112号線沿のブナ林の緑と青空の下で森呼吸。不要不急の外出は控えながらも、静かに楽校に行っています。木造建造物は湿気が大敵で、校舎に入るとすぐ窓を開けます。


5月の開校日には数人ずつお客さんがお越しくださいました。おやつを頂いたり、お茶を頂いたり、お話をしながら、和やかに過ごすことができとても素敵な時間になりました。たにしの楽校の佇まいは、そんなのんびりした時間が良く似合います。


落ち着いたらみなさんをお迎えすべく、今は、窓を開け音楽を聴きながらの手入れの日々。校舎内を掃除したり傷んだところを修理したり、お昼ご飯を食べながら『金子みすゞ物語』(DVD)を見たりしています。そして、静かなたにしの楽校で聞くみすゞの詩の朗読は、心にすっと寄り添うように、様々な想いを巡らせます。




そんな中、先日はある話を思い出しました。


だいぶ前に知った話で、群馬県の写真家で世界の山々の写真を撮っている方が、最後にネパールの山を撮り終えて、その小さな集落に下りた時、裸足で歩く子供たちの姿を見て驚いたそうです。


現地の人は裸足で歩くため、破傷風や白内障にかかる子供さんがたくさんいたのだとか。そんな姿を見て日本から靴を何千足と送って、『困った人を見たら、助けてあげるのが人でしょ』といわれていたそうです。


私は折にふれてこの話を思い出すのですが、この方の困っている人を見過ごさない強さに、大きな感動を覚えたものです。


ネパールといえば、同様に、現地の人々に貢献した「みすゞ学校」があるのをご存知でしょうか?私も写真や映像でしか見たことがありませんが、金子みすゞ愛好者による支援で建てられた学校で、現在3校もあると伺っています。金子みすゞの詩に共感する人々の心の優しさが感じられる取り組みだと思います。

靴の支援も、みすゞ学校も、「困っている人を助ける。」という単純なことでありながら、なかなかできないことです。身近なところから、お互い様でいいので、人を助ける、人の役に立つ勇気を持つ大切さを、常に心に留めておきたいと思います。


静かな場所で読む金子みすゞの詩は、大切なことを思い出せてくれます。



そして、たにしの楽校の金子みすゞ文庫からお知らせです。


この度、嬉しいことに日頃お世話になっている画家の方が、金子みすゞさんの詩をイメージして素敵な絵を描いてくださいました。温かいお心使い本当にありがたいですね。この絵をもとに紙芝居のような資料を制作して、みすゞの詩をご紹介できたらいいなと考えています。今からとても楽しみで、できましたらホームページでもご案内致します。



たにしの楽校、今は毎月静かに開校していく予定です。ご連絡いただければ普段の日でもご覧になれます。今秋10月25日(日)に予定している『たにしの楽校秋祭り』がなんとか開催できればいいなと思っております。

bottom of page